天使の梯子

その本に出会ったのは今から9年ほど前のこと。
私はまだ広島の実家に住んでいて、そこから電車で20分ほどかけて
隣の県にある高校に通っていました。
学校が終わると家に帰る前に途中の駅で下車し、30分ほどをその町で過ごす。
そんな毎日を過ごしていました。
駅を出てすぐのところにあるスーパーの4階。
エスカレーターを降りてすぐのところに平積みされていた本。
それが村山由佳さんの『天使の卵ISBN:4087484920 との出会いでした。


何故その本を買おうと思ったのか、それは今では思い出せません。
本に『村山由佳フェア』と帯がかけられているので
何となく、流行にのって見たかったのかもしれません。
本自体はそんなに分厚い本ではなく、一時間もあれば読み終わるような本で、
内容も、言い方は悪いですがそれほど独創的、というようなものではなかったと思います。
ただ最後の一節と、そこに至る表現がひどく切なく、悲しかったのを覚えています。


それから9年。私は紆余曲折の末東京で暮らしていて、
少しでも変わったのか、それとも変わっていないのか分からないまま日々を過ごしています。


天使の梯子ISBN:4087813193年後の世界を描いた物語です。
10年という時間をそれぞれに生きてきた登場人物たち。
痛みと悲しみ、そんな日々の末に得たもの、無くしたもの。そして…出逢った想い。


あれからの日々を自分はどんな風にすごして来たんだろう、と思いつつ
今日は久しぶりに『天使の卵』読み返して見ようかな…と思います。



で、こういうノリはちょっと疲れるので…
君望SSの話。とりあえず…思い切り端折ってしまってるふたりの話と
そしてその後の話をまたそのうちに書けたらいいなぁと思ってます。
もう暫くお付き合いの程どうかよろしくお願いします。