ローマ人の物語〈24>賢帝の世紀 塩野七生*1(ASIN:4101181748)

ローマ人の物語 (24) 賢帝の世紀(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (24) 賢帝の世紀(上) (新潮文庫)

年に1巻発売されている同名シリーズの文庫版。今回は所謂五賢帝の2,3,4番目にあたる、トラヤヌス(巻中ではトライアヌス)、ハドリアヌスアントニヌス・ピウスを取り上げたものになります。というかこの名前高校生の時散々辛酸をなめさせられた記憶があります。アントニヌス・ピウスと次のマルクス・アウレリウス・アントニヌスがくせ者なんですよね………。受験生だった頃から10年経った今頃になってそらで言えてもなぁ…と思いつつやっぱり「好きこそ物の上手なれって」本当だなとしみじみ思ったり。

で、この五賢帝ですが教科書なんかだと「ローマ帝国の最盛期」と一言で言われています。ただ最盛期と言うことは、山の頂上、もしくはそこにたどり着く寸前であって、これから続く斜陽の時代の始まり、もしくは終わりの始まりなんですよね。教科書とかだとどうしても歴史って時代とか場所とかでぶつ切りにされてしまうわけですが、昭和64年1月が何も変わることなく平成1年1月であったように(もうこの例えも実感出来ない年齢層がかなりいそうですが)、時間って言うのは綿々と続いおり、それを暇な観測者が切り取り、選び取ることで歴史として成立していると言うことが最近になって何となく実感出来るようになってきた今日この頃。