煬帝(下)(asin:4532171032)

煬帝(下)

煬帝(下)

久しぶりに書籍レビュー。
今回の題材の煬帝は、
皇帝で唯一「よう『だい』」と帝を『てい』と呼ばない=帝の資格が無いという送り名を受けた皇帝です。
ろくでもない皇帝の代名詞みたいになっていますが、
実際には隋王朝の(事実上)最後の皇帝であり、
結果次の王朝である唐に送り名を受けていると言う事情もあり、
親戚筋でありながら王朝を立てた唐からすれば、
悪逆で統一せざるを得なかったんだと言う話にしないとやむをえなかったと言うような事情があったり、
また、皇帝の資質としては結果としてはろくでもない結果になったものの、
実際の行動としては漢の武帝のように、
結果としてはうまくいったが行為としてはろくでもない皇帝辺りと変わらない
(まぁそれを言うと何とでもいえてしまうので結局のところ
「何をしたかったか」ではなく「何をしたか」で評価されるのが当然と言えば当然なんですが)


で、本題。
この作者の方は、『王莽』という同じように悪王の代名詞格になっている人間の小説も書いてるんですが、
こっちを読んでいたときも思ったんですが……何を書きたいんだろうな?と。
真っ当な人間だったのがおかしくなった。最初からそういう人間だった。
まぁなんでもいいんですが、この人がどういう人物を書きたかったのかさっぱり解らなかったんですよね……
題材的に書きようが無かったのかもしれないのですがそれならそもそもこの人を題材にする意味が…………