逆転裁判4
- 出版社/メーカー: カプコン
- 発売日: 2007/04/12
- メディア: Video Game
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ストーリー
全4話でそれぞれが繋がった話になっています。
ただ今回4話目で無理やりなシステムを入れて無理やり事件(+ストーリー)を解決させているのが正直痛いです。
元々逆転裁判自体法廷を舞台にしています。故にそれを左右するのは「法」なんですね。
『容疑者がどんな人物であれ、法的な証拠がなければ有罪にはならない』と言うのがこのゲームの前提
だった筈なんですが、それが今回になって「裁判員制度」を(おかしな具合に)無理やり絡めた結果
更におかしな代物になっているという。つーかこれだと「陪審員」だし。
次に「視点」……かな。これまでのゲームでは基本的に全て主人公視点で物語は進行しました。
(一部過去回想と言うことで、別人(千尋)視点がありましたが)
それが今回、いきなり第3者視点を持ってきた性でゲームの世界全体が崩れてしまっているという。
4話にナルホドの話を持ってくるならそれだけで独立させた話にした上で他の話とリンクさせるなりなんなりという手は
あったと思うんですが、なんであんな訳の分らないものを入れてお茶を濁したのかと…………。
あとは全体的に大味ですよね、ストーリーの細かい部分が。
2話や3話の犯行の状況とか突っ込めば突っ込むほど埃が出てくるって言うか………。
システム
新システムとして相手の仕草の変化を見抜く『みぬきモード』が搭載。
その他にも音から証拠を探したりですとか色々五感に訴えた謎解きがあるんですが、
これってどうしても人を選びますよね。
前作までだと最悪総当たりすれば何とかなるんですが、これだと出来ない人はずっと出来ない気が………。
あとは「蘇る逆転」で搭載された科学捜査もありますが、
こっちはミスしたときの制約が全くないので作業以外の何物でもないっていう。
キャラクター
まずとりあえず……主人公が弱いです。
ナルホドに比べてキャラが弱く、裁判でも全くキャラが立ってません。
結果として本来ライバルである検事が毎回助けてくれることによって物語が進行するという………
多分ナルホドとの差別化を図りたかったんだと思うんですが、量産型ナルホドにさえなってないと言いますか、
せめて1作丸ごとオドロキの話に費やせれば違ったと思うんですがストーリー全体の重み+ナルホドに
完全に押しつぶされてる印象を受けました。
総評
まず前項の結果として、前作までにあった『逆転』の爽快感とか危機感っていうんですが、それが無くなりました。
前作まででは真犯人、及び検事との鍔迫り合いとかがあったわけですが
今回ほぼ全編に渡って弁護側と検事側が共闘と言った感じになってしまってますし。
アドベンチャーとしてのみ見るなら問題ないと思うんですが、
『逆転裁判』として考えると………個人的には失敗じゃないかな、と。
以下独り言
4章過去事件の最後のあの件どう考えてもおかしい気がするんですよね………。
まず前提条件として、
- 被害者は手記を書いていた。手記は被害のあった日の23時まで書かれておりそのあとのページが破れていた。
この事から破れていた部分には何かが書かれていた可能性と何も書かれていなかった可能性の
両方が存在すると言うことになります。
まずその後のページに何かが書かれていたとします。
この場合最も考えられることは、
- 被害者は殺されたとする時間の後も生きていた。
と言うことになり、よって結論は
『後から来たほうがその記載があると不都合なので破った』
とすることが可能になり、つまり弁護側有利です。
この場合それを検察側が覆そうとすれば、
『破られた部分に何も書かれていなかった事』を
立証する必要が出てくると言うことになります。
次に、その後のページに何も書かれていなかった場合です。
この場合だと検察側が優位なように思えます。
『先に来たほうが何か記載があったと思わせるために破った』
とすることが可能だからです。
ただしこの結果を導くためには前提として
『破られた部分に何も書かれていなかった事』を
やはり立証しなければならないという状況が発生します。
また仮に『破られた部分に何も記載されていなかった事』を
立証したとしても、弁護側からすれば
- 書こうとしたら後の人が来て書けなかったのかもしれない
- そもそも何かあってその直後に日記に記載する必要はない
とでも言ってしまえばもう手詰まりです。
つまり
- 破られたページには何らかの記載があったのか否か
- 記載がなかったとして、それは書かなかったのかそれとも書けなかったのか
この二つを立証できない限りこの証拠は証拠になりえない以上、
ナルホドがこれに関してあの証拠を出す必要性自体全くない気がするんですが………