ひぐらしのなく頃に祭(ASIN:B000I2FEK6)

ひぐらしのなく頃に祭(通常版)

ひぐらしのなく頃に祭(通常版)

遅ればせながら漸くクリア。クリア時間はおよそ35時間ほど。
(ただし『綿流し編』等の見ててしんどいシナリオは結末を知っていることもあり早回しで流して済ませました。)


以下ネタバレを含み感想




で、感想なんですが………G.W等を棒に振ってプレイしましたがその甲斐は十分にあったかな、と。
ただ気になった点もいくつかありまして………
1.『綿流し編』等でPC版にない分岐が収録されているんですが
(具体的に言うと魅音に人形を渡せるとか、全体的に魅音にたいしての好意を強くするシナリオ分岐)
それを見てしまうと逆に物語の最後で詩音の存在が「あれ?」って感じになるんですよね。
なんでこの「詩音」がこんなにこっちを………?っていうことになって、
そうなると『綿流し編』に張られたミスリードそのものが危うくなるという。
あとは人形を渡しても結果的に惨劇は防ぎようが無いって言うのもちょっとなあ…と。
(これはまあ防いだとしても最終的な破局は訪れるからと言うのもあるんでしょうが)


2.『盥回し編』『憑落し編』と言ったPS2版のオリジナルシナリオですが、
これは正直個別のルートとして存在させるだけの意義は無いように思いました。
特に『盥回し編』は『第一章』にカテゴリされており、分岐条件が特にない為
(正確には他シナリオへのフラグを立てないことが分岐条件)
その結果他のシナリオを見ていなくてもこのシナリオに入ってしまう恐れがあるというのは
攻略情報を見ずにプレイした新規ユーザーからすればかなり微妙な導入になってしまう
可能性を含んでいる訳で。これは上記シナリオに限らず他のシナリオでもそうなんですが、
幾つかのシナリオ分岐の条件がかなりいい加減です。


元々PC版はばらばらに時間をおいて発売されたので、言ってみれば「お勧めの順番」と言うのが
存在していた訳ですが、今作では全てのシナリオが1本のゲームとして発売されていて、
『出題編』『解答編』『その他if編』が順序よく誰にでもプレイできるならいいんですが、
今作だと下手すると開始直後に『盥回し編』→『暇潰し編』と言った順番に
なりますし、そうすると制作側が意図した通りにユーザーに情報を与えられてるのかな、と
いうのが若干疑問に思います。
今作には元々狂言回しがいるわけですし、そこら辺はもう少し何とか出来る
余地があったように思うんですが。


あとは………まあ上にも書きましたが完結編にあたる『澪尽し編』以外のシナリオでも
別に必ずしもデッドエンドにしなくてもいいんじゃない?と言うのが正直な感想です。
勿論上にも書いたとおり最終的な破局は訪れるんですが、
一部のシナリオでは破局を免れているキャラもいるわけですし、(『目明かし編』のレナとか)
最終的にはそうなるにしても普通にバカップルしてる魅音と圭一でもいいし、
例えば『梨花』が自己に関しては絶望しつつも他の5人を村から避難させてもいい。
勿論このシナリオに未来があったとしても、結果として誰か
(少なくても7月には梨花はそこにはいない)犠牲の上に成り立ってる以上
ろくでもないシナリオでしか無いんですが、『何百年にもわたる様々な可能性』のひとつとして
そういう『結果』を記さないまま終わる物語とかあってもいいんじゃないかなと
ちょっとだけ思いました。ただまあこれやると『ひぐらし』じゃなくなりそうですが。