善人シボウデス

極限脱出ADV 善人シボウデス - PSVita

極限脱出ADV 善人シボウデス - PSVita

メガテン終了後プレイ開始。確か6月に入ってから開始して、20日程度のプレイ。
プレイ時間凡そ30時間。
クリアに必要なバッドエンド以外は未回収。


以下、ネタバレ含みつつ、若干感情論含んだ辛い評価気味です。ご注意を。

ストーリー

個人的には、「論外」だと思っています。
システムにも関わる部分になりますが、
分岐していくストーリーを進行していくと、途中で強制的に詰まります。
これを解除するためには別のシナリオを進めていくことでロックを解除する術を見つけていかなければいけません。
ただ、このシステムが非常にわかりにくい。


同社の「かまいたちの夜3」「428」「街」などでもこの機能は入っていますが、
こちらでは登場人物の視点が変わる、
もしくは時系列的に同一の輪に居る
(プレイヤーAの目の前に、詰まっているプレイヤーBが居る、解除された障害が目に見える等)


今回は視点となるプレイヤーはすべて同一です。
話の内容も選択肢を少し変えて、そこに同伴する一部人物に変化があるくらいなので、
今誰のシナリオで、誰が今どうなっているのかというのが非常にわかりにくい。


次に、ゲーム内でNPCと『アンビテックスゲーム』という心理ゲームをプレイし、
その中で「協力」か「裏切り」を選びます。
これはシナリオ分岐の大きな部分を占めていますが
ゲームとはいえ相手を「裏切る」又は「裏切られる」と言うのは少なからずしんどいものです。


裏切ってしまったから申し訳ない。つぎは信用しよう。
裏切られてしまったから腹が立つ。つぎは裏切ろう。


そういう葛藤や描写を得ることで、ゲームへの感情移入というのが出てくると思うのですが、
このゲームの場合は結構な確率で相手が選択肢毎に逆の結果を出してきます。
つまり、信用したら裏切られ、裏切ったらなんで裏切ったのかとなじられる。
これは、プレイヤーからすればひたすらイヤな気分にさせられるのみという結果を生みます。
最後の最後で、なぜこういう作りになっているのかということに対してのフォローは多少出ては来るものの、
そのたった一言の為にそこまでやる必要はあるのかな、と。


最後にエンディング。
まず各登場人物毎のエンドがありますが、
ここはまずエンドになっていません。


エンドになってない。話として終わっていない。
各シナリオにおいて、主人公からすれば話としてオチてないし、
メタ視点という言い方が正しいかわかりませんが、
プレイヤー側からすればどうなのかと言うと、これもただ理不尽なだけの印象を受けます。
結局のところ、シナリオ全体をクリアするためのパーツでしかなく、
話として全く終わっていないものが大半です。

システム

特にトリック等があるわけでもないのに、
移動するシーンを毎回延々と、また複数回数見せられるのがストレスです。
自分の移動だけではなく、NPCの回想シーンでも出てきており、非常にテンポが悪いです。

また、やむを得ない部分はあるのでしょうが、
3DS版と操作性がコンパチになっているということもあり、
vitaでの指での操作時に誤作動を起こしたり、
一部ミニゲームのみ唐突に十字に操作を求められる。
文字などのメモがしにくい等多少操作性に難あり


フローチャートについては親切と言えば親切。
ただし、選択後のルートについても多少出ているため、
こちらを選べばゲーム的におそらく正解(又はBadend直行)
というのが目に見えてわかるのをよしとするなら…ですが。


前作と比較してよくなった個所としては、
同じ部屋を2度クリアしなくてもよくなったという点で、
これは非常にありがたいです。
前回は仕掛けのわかっている部屋を何度もやり直さないといけないという
問題がありましたし。

まとめ

個人的な意見としては、論外。
続編として、また単体のゲームとしてもここまで未解決の
何も終わっていない状態で出すことは納得いかないのと、
ゲームとしてこのストーリー展開はどうなんだろうかと。
この作家の方の味と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、
これなら、ゲーム部分抜いて1本の小説にでもしてくれればなんとか……